墨モルタルで後悔しないために知っておきたいこと

墨モルタルとは?

現場調合のモルタルに

墨を混ぜて灰色~黒にする

落ち着いた色の左官仕上げ材です。

住宅では玄関やポーチ、土間スペース等で

使われます。

タイルや石にはない風合いがあります。

ただし、既製品ではないので、

仕上がりに差がでます。

品質の安定を求める観点からすると

難しい材料ということになります。

事前に特徴を理解して、

後で後悔しないために知っておきたい点を

ご紹介します。

仕上がりが乾くまでわからない

添加する墨はもちろん真っ黒なので、

モルタルも真っ黒になります。

施工時はほぼほぼ黒です。

また、気温や乾くスピードによって

色合いやムラの出方は変化しますので

仕上がりを予測しながら

墨の量を決めたり、仕上げる早さを変えたり

調整を行うことは、

難しいのではないでしょうか。

簡単にいうと一発勝負です。

あとから、もう少し黒いほうが良かったかなとか、

気持ち薄めの方が上品かも?

と思っても後の祭りです。

色の濃淡やムラは思い通りにはいかない、

という位に考えていたほうが、

気が楽だと思います。

そんないい加減な仕事は嫌!

という方には、

黒いタイルや石(玄晶石など)をお勧めします。

↑アププローチのタイルをはがして墨モルタルを施工中

施工中は真っ黒です。

↑養生中です。

乾き方によってムラがでるのが分かります。

ひび割れ誘発のために目地を入れるのは基本です。

触ると汚れる

墨を混ぜるので乾いてからも

触ると黒くなったりします。

土間をあえて触る人はいないと思いますが、

想像してください。

たとえば、小さなお子様を連れて

さぁ出かけようと思っていたら、

玄関の土間に靴下のまま下りてしまった!

靴下が真っ黒!

お母さんの悲鳴が聞こえてきそうです。

汚れ防止や色調整はクリア塗装で可能

上記のような汚れには対策もあります。

クリア塗装をすれば、

多少の光沢とともに汚れにくさと

お掃除のしやすさが手に入ります。

また、濡れ色とまではいきませんが、

若干仕上がりの色も濃くなります。

ところでクリア塗装って何?というと

この場合、透明な塗料またはワックスを塗ることです。

ウレタン塗装や、下塗り用のシーラー、

石用のワックスなどがあげられます。

自分でする場合はワックスが簡単です。

後々のメンテナンスのことを考えると

簡単なことは大事なことです。

↑クリア塗装をして若干色が濃くなっています。

※ただし、表面に膜をつくるので水ははじきます。

水に濡れた時、いわゆるきれいな

濡れ色にはならなくなります。

ヘアクラックなど細かいひび割れの部分から

徐々に水がしみこんでいくようなイメージです。

ひび割れする

墨モルタルに限らず、

コンクリートやモルタルは必ず割れます。

細かいひび割れが入ります。

むしろ入って当たり前だと思ってください。

ある程度の面積で目地を入れて

目立たなくすることはできますが、

ひび割れのひとつひとつに

憂いを感じる自分が想像できたら、

やめておいたほうが良いでしょう。

水にぬれると白いものが出てくる

白華(はっか、エフロともいいます。)

と呼ばれるでものです。

セメントの成分が水に溶け出してくるものです。

注意して周囲を見渡してみると、

実は、結構いろんなところに出ています。

コンクリートブロックだったり

タイルまわりだったり。

背景が白っぽいときはそんなに目立たなくても、

黒い背景では目立ちます。

黒いのににじみ出てくるものは白いのです。

↑屋外の墨モルタル金ゴテ仕上げの表情です。

ひび割れ、色むら、白華、

程よく出ていると思います。

※ちなみに水に濡れる場所ですと、徐々に墨も色落ちしていきます。

それらがすべて味になる

ここまで読んでいただいて、

やめておこう、とならなかった方、

逆にそれがいい!

という方にはお勧めです。

年月とともに変化していく様を、

楽しめるような、心に余裕があったなら、

いいんじゃないでしょうか!

以上になります。

参考になれば幸いです。

最後までお読みいただき

ありがとうございます。

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